アトロクについて

番組放送時に撮影された写真を見ていると、毎回、肝心のゲストや特集に登場するアイテムよりも、アナウンサーの写真の方が多いって何なんですかね。アナウンサーの写真どうでもいいっす。そういうところからも、この番組が本来大事にしないといけないことを見失っている感じがする。僕は少なくとも、アナウンサーを押し出すことはこの番組に一切求めていない。なのにそっちが目的になっている傾向に引っ掛かります。

そもそも、押し出すほどの面白さがアナウンサー陣にあるようには思えない。恐らくただ進行をして相槌を打つだけの存在にしないため、アシスタントそれぞれに性格付けをして個性を出そうとしているのだろうけど、それがこの番組のレベルに見合う面白さでは無いんですよね。

それと、毎回欠かさず聴いていない自分にとっては、アナウンサーをアダ名で呼んだり、あとタイトルコール前のやり取りとかが、温い内輪ノリにしか思えなくて、そのままスイッチを切ってしまうことも多々あります。

その程度の内輪ノリはタマフル時代からもあった。ちゃんと面白いときもあれば、面白くないときもあったけど、良くも悪くも必ず個性的ではあった。面白い個性もないアナウンサーを押し出そうとするから、つまらない内輪ノリ感だけを感じるのかもしれない。そういうのは、つまらないバラエティ番組と変わらないので、この番組では勘弁してほしいっす。

 

内輪ノリの最悪なのが火曜日の宇垣アナウンサー。彼女は一見、自分の考えをしっかりと持った個性豊な人物に思えるけど、実はただ自己中心的で我が強いだけの人物だと思う。自分が聴いた範囲だと、ゲストに対して指摘をするときのタメ口などからそういう無礼さが見てとれた。あの人がそういう言動をすると、宇多丸さん含め、スタジオにいる人たちは笑ってリアクションをするけど、他人への敬意を欠く失礼極まりない人間が、あの番組で持て囃されることにはとても失望する。火曜日は宇垣アナウンサーをメインに押し出すことばかりで、聴くに堪えない。

あの人は日本のアニメや漫画などの、いわゆるオタク的文化に造詣が深いのが人気にもなってるけど、べつにのらくろ鉄人28号のことが話せるわけではなく、ただ自分と同世代の作品を享受してきただけという気がして、その文化への造詣とやらも大したことないように思える。人気が出ているのは、見た目が美人でアナウンサー「なのに」オタクっぽいものが好きで尖ったことも言うからなんじゃないか。そんな見方で消費しているなら当人にも失礼だ。

あと話題を呼んだ『かぐや姫の物語』への宇垣アナウンサーの反応も、特に凡庸な感想だと思いました。というか「どうしておじさんの高畑監督が、女性の気持ちを理解できるんだろう」とか言ってましたけど、それくらいの想像力を持ってる人がいるのは当然だし、クリエイターなら尚更だ。あの人の主張を聴いてると、自分以外の価値観や想像力というものが、この世には存在しないと思い込んでいるような感じがしてしまう。

あの人のフェミニズム的な思想もどうなのか。フェミニズムは結構ですけど、そういう主張をするときに、いちいち男性全般に対してトゲのあることを言うのが、男女間の溝を余計深くしてるんすけどと思う。あの人はフェミニストというより、あくまでも自分個人が社会の型に嵌められたりイメージを押し付けられたり、そういうのが嫌なだだけなんじゃないすかね。本人はそう思ってなくとも、聴いている限りそんな気がする。なのに、フェミニズム的な押し付けがましい主張でくるめるから、聴いていて不快になる。どちらかの性別を一方的に敵とみなすような発言をすることは、性差別を助長すると思うんですけど。

だから、よりにもよって宇垣アナの火曜日に「女子と本特集」(なんだよこのタイトル....)とかやられると、たとえ内容が良いものだとしても、余計な拒否反応が出てしまう。やるとしても、むしろ男性アナウンサーの日にそういう女子とかなんとか言い出す特集はぶつけて、逆に男子とかなんとか言い出す筋肉系の特集を女性アナの日にやるとか、そういう多様なバランスは無いのかと思います。

 

まあ、べつに嫌なら聴かなければいいだけなんだけど、ちゃんと良い特集もたくさんあって勉強になるからそうも言っていられない。特に「戦時下のアイドル特集」とか素晴らしかった。木曜の宇内アナウンサーはアシスタントとしての安定感を大事にした上での面白さもしっかりある人なので好きです。だから、木曜日は充実した特集が多いと思う。

要は、宇垣アナウンサーのような特別な面白さもない、ただの自己中心的な人を持ち上げて内輪ノリに走りすぎると、凡庸なつまらない番組になっていきそうだから嫌だ!ということで。それに、そうなると「アナウンサーは原稿だけ読んでろよ....」という、作り手たちの意図に反する心無い意見も沸き起こるだろうし、(実際、自分の中ではもう沸き起こってる)カルチャーキュレーション番組と謳っておきながら、そんなことをしていては文化の欠片も無くなり間口が狭くなる一方だと思う。自分が聴いた限りでは、宇垣アナウンサーもアシスタントに徹している瞬間が多少あったから、今後変わっていけばいいなと思います。