2018-01-01から1年間の記事一覧

『ボヘミアン・ラプソディ』

いわゆる「ショウビズもの」の定型をなぞっただけのような物語は凡庸に感じた。フレディー・マーキュリーという、まさにフィクションのようにドラマチックな人生を送った人物を扱っておきながら、映画として凡庸なのは勿体なくないか。もしくは、言い方は悪い…

『裸の銃を持つ男』シリーズ

数年前、話題になった『アデル』という恋愛映画をこの前観ていた。物語中盤、主人公の浮気が恋人にばれ、別れ話を切り出される展開がある。お互い眼には涙を浮かべ激しくぶつかり、やがて暴力的な掴み合いに発展する。演じている女優二人の激しくて重たい演…

『ザ・プレデター』幼稚で真摯な小学生

脚本が重要だ。シェーン・ブラックとフレッド・デッカーが共同で書いている。このコンビはかつてデッカーが監督、ブラックが共同脚本で『ドラキュリアン』という名作を生み出した。当時、監督として名を上げていたデッカーだったが、脚本家としてのブラックは…

『アントマン&ワスプ』

本作に限らず最近のマーベル映画全般、会話シーンがとにかくつまらないと思う。ただ向かい合い喋っている人物をバストサイズくらいで切り取って、工夫の無い編集で繋いでいるだけに見える。マニュアルでもあるかのように決まりきった見せ方。本作で言えば、…

アトロクについて

番組放送時に撮影された写真を見ていると、毎回、肝心のゲストや特集に登場するアイテムよりも、アナウンサーの写真の方が多いって何なんですかね。アナウンサーの写真どうでもいいっす。そういうところからも、この番組が本来大事にしないといけないことを…

『インクレディブルファミリー』

登場する悪役の目的や背景が興味深く描かれるだけに、物語上の説得力にまるで欠けていることに引っ掛かってしまった。 悪役の目的というのは、ずばりヒーローの根絶。それ自体は普通だが、その理屈が「人々はヒーローの存在に頼り過ぎるがあまり、受動的にな…

『ミッション・イン・ポッシブル フォールアウト』

物語は混乱しているうえに雑極まりない。だから、いくらアクションの物量とトム・クルーズ本人のスタントが過酷そうでも、映画としての効果をまるで発揮しない。 たとえば、イーサンがロンドンの街を全速力で走り抜けるシーン。もう一度書くけど「トム・クルー…

『ブリグズビーベア』

この映画でも起きたように、撮影現場での事故や警察沙汰はよくあることだ。特に自主映画なら尚更で、そういう事例は頻繁に聞くし、実際に目にもしてきた。知り合いは俯瞰ショットを撮影したいがために、無断で他人の家の屋根に登り、泥棒と間違えられ、署ま…

『ディープライジング』シリーズ

5、6年前から超低予算映画界隈を中心に盛り上がりを見せたサメ映画ブームが、ついにジェイソン・ステイサムが巨大サメと戦う超大作『MEG』にまで行き着いた。それくらいサメには人を惹き付けるパワーがあるのか、もしくは超低予算映画から倣わなければならな…

『ゲティ家の身代金』

本作最大の見せ場である耳の切り取りシーンは、実際の直接描写自体より前振りが一番残酷な感じがして良かった。突然部屋に入ってくる屈強な男たち、人質になぜか強い酒を飲ませようとし出し、やがて外科医と思われる不気味な男が...それらの前振りによって「…

『ビリー・リンの永遠の1日』

イラクに出兵した少年ビリー・リンは、戦地で敵に囲まれる上官を単身助け出しているところがたまたま撮影され、話題になったことから祖国で英雄として讃えられる。そんな彼と部隊の仲間たちがアメリカに一時帰国し、アメフト最大のイベントであるスーパーボ…

『ランペイジ巨獣大乱闘』怪獣映画とドゥエイン・ジョンソン

怪獣映画において人間は邪魔な存在だ。それは、どこよりも先進的な怪獣映画を大量に生み出した、かつての日本産怪獣映画で頻繁に起きた「それまで物語の中心にいたはずの主人公たちが、クライマックスでは怪獣の大暴れをただ傍観するだけの存在になってしま…

『GLOW ゴージャスレディ・オブ・レスリング』

「大事なのは勝敗ではなく、自分が信じることを最後までやり遂げられるかだ」というのは、シルベスター・スタローンが『ロッキー』で描いてみせた、本当に大事なことだ。女子プロレスのショーに賭ける者たちを描いたNETFLIXのドラマシリーズ『GLOW』もそうい…

『レディ・プレイヤー・ワン』

作品の結末と核心に触れるネタバレをしています。 本作には様々な既存のキャラクターが大挙して登場するが、その全てに物語的な感動は一切無い。作り手たちはクライマックスでガンダムが登場する展開を盛り上げたかったようだが、しかし結果は全く盛り上がら…

『パパvs新しいパパ』シリーズ

『パパvs新しいパパ』は日本ではDVDスルーされてしまったが、素晴らしいコメディの名作だと思う。 ウィル・フェレル演じる主人公ブラッドは、シングルマザーのサラと結婚し二人の連れ子の継父となる。彼は優しく真面目な男であるが、それ故、頼りなく子供達…

『プレデター』

子供のとき日曜の夜にテレ朝を観ていたら、大塚明夫の声で「本日の日曜洋画劇場はプレデター!」という音声がテレビから流れてきた。どうやら、これから放送するらしい。そもそも当時はエイリアンが好きだったのもあって、プレデターにはさほど興味なかった…

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』

スピルバーグは最近、休みの日は一日中観まくるくらい、昨今のハイクオリティなドラマシリーズにハマっているというインタビュー記事をどこかで読んだ気がした。それを証明するように、本作のキャスティングは主役二人以外のほとんどが、評価の高いドラマシ…

『ダウンサイズ』

素晴らしいと思ったのは、オープニングで縮小計画の概要などを一通り説明した後、主人公ポールが登場してから続く一連の展開だ。 まず、ポールは初登場時にダイナーで縮小計画のニュースを見ながら、テイクアウトが出来上がるのを待っている。その後、自宅に…

タマフルについて

最近はあまり聴いていなかったけれど、いざ番組が終了となるとすごく感慨深いものがあります。 タマフルは毎日が苦痛でしかなかった学生時代の唯一の心の拠り所だった。当時はパソコンを持っていなかったため、番組には手書きのハガキをよく送った。拙い文章…