2019-01-01から1年間の記事一覧

『ワイルドスピード スーパーコンボ』

このシリーズの不良の家族愛的な原理に基づく世界観や物語には興味なかったけど、途中からドゥエイン·ジョンソンとジェイソン·ステイサムが加わり、非人間的な要素が増えてきたから見続けることができた。そんな自分にとってシリーズで一番好きなのは『スカ…

『この世に私の居場所なんてない』その他

最近観た映画で自分にとっては苦手なタイプのものが3つ続いたので、感想を書き残しておきます。 『この世に私の居場所なんてない』 このタイトルを聞いた100人中90人がまず思い浮かべるようなイメージを、そのままなんの工夫も捻りもなく画にしてみせてしま…

『ゴジラ キングオブモンスターズ』

ヤバい!昨年あたりからどんどんつまらなくなってるエンタメ映画の真打ちが来てしまった。何もかもが安易で陳腐、観客をバカにしたようなところもあって腹も立った。最近のシリーズもの映画を観ていると、大手チェーン店の新商品のコマーシャルを二時間観て…

『アベンジャーズ エンドゲーム』普通の映画ではない

ネタバレしてます。 サノスがどれだけぶっ殺し甲斐のある悪になれるか期待した。前作のサノスには同情や理解の余地が生まれていたから悪ではなかった。あれは敵だ。自分にとって敵は殺したくならないからグッと来ない(最近の映画でいえば『ブラックパンサー…

『キャプテンマーベル』

女ヒーロー映画で、監督と脚本家も女。流行りのフェミニズム映画の側面もあるかもしれないけど、それだけに終始せずエンタメ映画として普遍的だったのが何よりも良かった。その普遍性を担っていたのは主人公ブリー・ラーソンの明快かつ抜けの良い魅力だった。…

『バイス』抗えない悪の魅力

映画で魅力的に映るのは主人公ではなく悪役だ。悪は徹底的に冷徹で容赦ないほどカッコよく輝く。しかし最近の映画は悪役がどうにも弱くて不満を抱いていました。 『バイス』はそんな不満を吹き飛ばすカッコいい悪が描かれていた。観ていてグッと来るのは、権…

『グリーンブック』

胸がすくようないい映画。胸だけでなく腹も空く映画。飯が美味そうな映画は良い。70年代の日本映画は飯が美味そうなのが多かった。特に東映の映画は凄かった。『仁義なき戦い』シリーズのどれかに登場した犬鍋、『脱獄広島殺人囚』のラストで道端に落ちてる…

スティーブン・セガールについて 前編

出演作品のほぼ全てがひどい俳優。特に近作でのアクションシーンは手をクルクル回すセガール拳をアップの画で2,3カット押さえといて、それ以外はスタント任せにしていることを隠そうともしない体たらく。しかもアップのカットではセガールに照明がきちんと当…

『クリード 炎の友情』

本作最大の物語的ハードルは「なぜアドニスがドラゴ親子からの挑戦を受けるのか?」にある。アドニスは前作で、父親であるアポロの呪縛を解消し、自分が何者なのかを見事に証明した。それが果たされている以上、アドニスには戦う必要がない。もし、アポロの…

2018年の映画

2018年の映画は面白くなかった。特に主流になったエンタメ映画は、リベラルなテーマやメッセージを打ち出すことを目的化したものが多いように感じた(1/16追記:内容がリベラルなものに限らず、テーマやメッセージに物語や人物が従属したように感じる映画が多…